SEって最近はiPhone渡して終わりだろ!また文句か!?それでライブできてんだからいいだろ!
最近はiPhoneやiPodなんかで登場SEを流すことも多いですがトラブルも絶えません。たぶんこれは全PAの総意で安定したソースで高音質なSEを用意してくれと思っています。しかし、どうしたらいいのかわからない、気にもとめてなかったって人も多いと思うので解説します。
SEを流すための音源問題。
最近は色々なソースがありすぎてこっちもテンパることが多いんですよね。ライブをする、お客さんに楽しんでもらうって観点からするとバンドがテンパるのもPAがテンパるのもただ損なだけなんですよね。
ですのでこれまでSEの音源なんてなんでもいいだろうと意識していなかった人も一度この記事を見ていただきしっかり用意してほしいと思います。
まず一番最初にこれならOK!という答えを言っちゃうと
- ソースはCD
- 入れるのは使う曲1曲のみ
- フォーマットは無圧縮
- 盤面とケースに備考を書く
これでもう大丈夫。
これがベストの状態ですが、SEに使う音源は様々なソースがあり、会場によって使う曲を変えたい場合などもあるでしょう。
この答えについての解説とその他の方法でSEを再生する時についての解説をしていきたいと思います。
ソースはCDにすべし
まずCDじゃないとどうなるか。
今まで私が経験したトラブルを紹介すると…
iPhoneだと
曲をかけようとしたらロックがかかってる
曲をかけたら音が小さい、大きい
かけるタイミングで通知がきて間違って押しちゃう
曲をかけるタイミングで電話きちゃう
「ペッぺぺ♪」と通知音がスピーカーから大音量ででちゃう
など、注意をしなければトラブルと隣り合わせ。
スタート直前に何度楽屋まで走ったことか。
iPodでも同じように音量が上がってなかったとか、画面が消えたのでボタン押したら次の曲行っちゃったりメニューが戻ってかける曲がわからなくなったり。
ライブ初っ端の緊張感の中、不安定なソースはやめましょうってわけです。
CDなら必ずライブハウスにプレーヤーはありますし、CDであればPAは再生に慣れていますしできて当たり前。なんの不安もないのです。
CDRやフォーマットでプレーヤーとの相性の問題なんかもあったりしますが、リハで確認して再生できれば問題ナシ。
不安ならCDのバックアップとしてSEの曲をiPhoneなどに入れておくといいでしょう。
あくまでもiPhoneはバックアップです。
もちろんiPhoneだってPCでだって再生できます。しかし、ミュージックプレーヤーじゃないアプリが急に立ち上がったり、わけわからん通知が出たり、挙げ句の果てには再起動しちゃったり。
スマートフォンやPCはなんでもできて便利な反面、予期せぬトラブルとも隣り合わせなんです。
これはPCを使用したライブでも同様です。
その記事はコチラ
というわけで、確実に安心してライブをしたいならSEはCDで!
用意するCDは使うSEの1曲のみにすべし
これはもう単純に1曲だけだったらかけ間違いがないからです。
例えば、SEをかけるときにプレーヤーの曲送りボタンにちょこんと指が当たってしまい、SEの曲の次の曲がかかってしまったなんてことになったら青ざめますよね。
SEって曲がかかってから止めたりなんてできないです。止めてかけ直すのもいいですけど変な感じになっちゃうことうけあい。
PAのミスですが、人間ですもの。全くミスをしない保証なんてどこにもありません。
SEのCDを1曲しかいれなければそんな心配はもうなくなります。そっちのほうがよくないですか?
会場によって曲を使い分けたい場合はそれぞれ違うCDに分けましょう。物販のケースにでも入れとけばいいでしょう。(CDなので優しくね)
CDへは非圧縮で書き出すべし
普段みなさん音楽はmp3などに圧縮して容量を圧迫しないようにして音楽を楽しんでいると思います。
耳にイヤホンぶっさして、それもカナルタイプなら音量は小さいものです。
音が小さければ家でCDで再生するのと遜色なく圧縮された音源でも違和感なく聞くことができます。
しかし、ライブハウスの大きなスピーカーで、さらに登場SEとして大音量で鳴らされるとどうでしょう。圧縮された音源は誰でもわかるくらい音が悪いのです。
さぁこれからライブが始まるぞ!っていうワクワクするタイミングならドカーンといい音でSE鳴らしたいじゃないですか。
そうなればSEで使う音源はWAVやAIFFといった非圧縮のフォーマットを選択しましょう。
非圧縮のフォーマットの他に、非可逆圧縮や可逆圧縮といった形式があり、mp3やAACやWMAやFLACやALACなどと色々あるのですがとりあえずSEのCD作りに関しては無視でいいです。
何も難しいことは考えず、1番音のいい非圧縮でサンプリングレートやビットレートも最大にしとけば問題ありません。
CDの盤面、ケースに備考を書くべし
今日のライブは7バンド。全出演者SEありです。
「これSEでーす!」と真っ白のCDで真っ透明なケースを渡され、それが7枚集まったらどうでしょう。シェンロンは出ません。ため息が出ます。
ワンマンならまだいいです。対バン形式で何も書かれていないCDを渡されたらどれがどれだかわからなくなるのです。
ですのでCDの盤面には[バンド名]と[登場SE]と記載しましょう。
「登場SE」なんていちいち書かなくたって見りゃわかるだろ!
おっと、モヒカンくんのツッコミが入りましたが、CDは登場SE以外でも渡されることがあるんです。エンドSEというライブ終了後に流すSEもあったり、ライブ中MCの最中にだけ曲をかけるなんてパターンもあります。
ですので、パッとCDを見てすぐ何用のSEかわかれば不要なトラブルを回避できるのです。
ケースにはこれも同じく[バンド名]と[登場SE(またはエンドSE等)]と[SEを落とすタイミング]を記載するとわかりやすいです。
ケースにも同じようにバンド名を書いておけばCDが違うケースに入って戻ってきたなんてトラブルもなくなります。
そしてCDの盤はプレーヤーに入れてしまうと姿を消しちゃいますが、ケースは残ってるのでそこにSEを落とすタイミングを記載しておきましょう。
何バンドもリハをやると最初にリハをやったバンドで出番はトリだと7時間とか間が空くわけで、どんなタイミングだったっけ?となることもあります。タイミングが記載されていればすぐに思い出すこともできるわけです。
どうしてもSE用のCDを作るのは嫌だ、製品版のCDを使いたいんだ!というワガママちゃんはジャケットに付箋でも貼って同じように記載すればOKです。
製品版のCDの場合はさらに、何曲目を再生するのかも記載して下さい。
ケースにSEを落とすタイミングの書き方は次に解説します。
フェードアウトやカットアウトは様々な方法がある、ケースに記載するとと共にリハーサルで確認すべし
SEを落として一曲目が始まる、そのタイミングはPAとバンドの共同作業になります。
上手く意思疎通が取れていないとかっこ悪いライブのスタートになってしまいます。
SEを落とすタイミングは様々で、
オーソドックスな手を上げたらフェードアウトや、バンドが演奏を始めたらフェードアウト、カウント後のバンドinでカットアウトなど演出次第で何通りもあります。
ですので、CDのケースには
どういったキッカケで
フェードアウトまたはカットアウト
と書いておけばスタート直前にもPAは確認ができ、安心して確実にオペレートできるのです。
そしてSEから登場→1曲目の流れはリハーサルで確認しましょう。
SEをリハで確認する重要性はこちらに書いています。
全ては良いライブのため
「PAが楽をしたいからってバンド側に面倒押し付けんなよ」ってモヒカンくんの声が聞こえてきそうですがそうではなく、トラブルが起きにくい万全の状態をお互い作ってお客さんが満足できるライブにしようよってことです。
アンプのツマミがすぐ動いちゃったり、シンバルがちょこっと割れてても演奏はできるっしょ?って言われたら嫌ですよね。
SEもおんなじようなもので、できるけども満足にできないんですよ。
PAもバンドも目的は同じでお客さんに熱いライブを見せたいわけなので、ぜひSEもこれを参考に作ってみてください!
コメント