リハは客だっていねーし本番と同じテンションでやるわけねーだろ!それをうまいことやるのがPAだろうが!また俺らに責任なすりつけて仕事放棄か!?あん?
今回はリハーサルと本番で音量が変わるとスピーカーから出力される音や、モニターから出ている音にどういったことが起きるかを解説していきます。
モヒカンくんのいう通り、曲やテンションでの振れ幅はPAがコントロールするのでミュージシャン側はそこまで気にしすぎる必要はありませんが、そういった場合にどういったことが起こるのかということは知っていて損はありません。
一緒に良いライブを作るという観点からPAが何をしているかを理解してもらえるともっと良い一日が作れるはずですのでぜひ最後まで読んでみて下さい。
今回のテーマ、リハと本番とでバランスが変わると何が起こるかですが、これは様々なパターンで起こることです。
本番でお客さんが入ってステージ上の音の聞こえ方が変わることもありますし、ボーカルがテンション上がってリハとは比べものにならない大声を出すこともあります。
色々な環境下でリハと音が変わることはある意味当たり前なのですが、変わったことでステージ内で演奏がやり辛くなったり、お客さん向けの音が悪くなってしまっては誰も得をしません。
事象とその原因と最良の対処法を知っていればミュージシャン、スタッフ、お客さんとみんなが笑顔になるライブが作れること間違いなしなので勉強していきましょう!
本番とリハで音量バランスが変わるのは全然OK
まず前提として、私はリハーサルと本番で音量が変わってしまう・変えてしまうというのは全然あって良いことだと思っています。
そりゃ本番になったら絶対にテンションは違いますし、もっとアンプ上げちゃおってなるのも超理解できます。
PAだってリハではこんくらいにしておこうと思ってたものが、本番でお客さんがブチ上がりまくってたらもっと爆音にしちゃおう!ってこともありますし。
ですので、その瞬間のその場所でしか決められないものがあるのがライブの醍醐味ですので私はそれを尊重したいと思ってます。
しかし、もしかするとそれを嫌がるPAさんもいるかもしれないということだけは一応書いておきます。
なのでこれから解説することを理解しておけば音量が変わること・変えることに関してやってはいけないことと考えなくて大丈夫です。
本番中にアンプのボリュームやEQを変えたら何が起こる?
ではここから何が起こるかについて解説していきます。
例として本番中にギターアンプやベースアンプなどをステージ上で上げたら何が起こるのかを考えていきます。
本番は基本的にはリハーサルを行ってバランスが取れた状態からスタートします。
ですので、アンプのボリュームやイコライザーの設定などはリハと同じ状態になっているはずです。
なぜ同じにする必要があるのかは以前に解説していますので、分からない方はこちらをまずみて下さいね。
リハーサルと同じ状態で始まったライブ本番。
しかし、お客さんが入ったらリハの時と全然音の聞こえ方が違う+なんだかテンション上がってきた。
そんなことが絶対起こってきます。
そこで自分の音が聞こえづらいので本番中だけどアンプを上げちゃおうとツマミをひねります。
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そうすると当然ですがアンプのボリュームが上がりますね。
↓
アンプのボリュームが上がるとアンプに立てているPA用のマイクに入力される音も上がります。
↓
もしギターやベースをモニターに返していたらどうでしょう、そのモニターの音も上がります。
↓
他のメンバーはモニターバランスがとれていたのに急にアンプの音が上がってバランスが崩壊する可能性があります。
急にギターやベースのモニターの音が上がったことでドラムやボーカルなど自分の音が聞こえなくなりドラムは力んだりボーカルは音程が取れなくなったりする可能性も最悪ありえます。
お客さん向けのスピーカーのバランスも同様です。
急にアンプの音が上がりボーカルの歌詞が聞こえづらくなったりすることも考えられます。
メンバーの1人がつまみをひとつひねっただけで色々と崩壊することがありえるんですよね。
まぁ、そうならないように我々が適宜調整するためにいるんですが、一瞬ステージから目を離した隙にそれは起こることがあるんです。
アンプを上げることでどんなことが起こるか理解していれば防げるかもしれません。
PAはちゃんとステージをみています。
声を出さずとも
(アンプ上げます(☝︎ ^ – ^)☝︎)
とジェスチャーしてくれるだけで、こちらはすぐに察知してPA側で下げれば崩壊は防げるかもしれませんよね。
本番前に
「いつも本番でテンション上がってアンプ上げちゃうんっすよー」
って雑談の一つでもあるだけでもPAは注視することができます。
何が起こるか理解しているだけで対策はいくらでも考えられるのです。
本番はテンションが上がってリハより声が大きくなったりドラムを強く叩くと何が起こる?
続いてはアンプではなくボーカルやドラムなど生楽器や肉声など電気に頼らないものを例にしてみましょう
こちらは物理的にアンプのつまみを上げるということではなく、大きな声を出す・強く叩くと言った肉体を使ってボリュームがコントロールされます。
ですので、ボリュームがテンションに依存し、よりその場の環境によって左右されるでしょう。
考え方は基本的に上と同じです。
モニターにボーカルやドラムを返していたら、マイクに入るボリュームとリンクしてモニターも上下します。
お客さん向けのスピーカーの音も同様です。
概ね、ボーカルはメンバーみんなしっかり聞きたいでしょうし、ドラムの3点なんかはリズムを司るわけでモニター注文人気No.1であります。
そのバランスが変わるというのは影響も大きいです。
ボーカルなんかはハウリングギリギリ目一杯返していることもあるでしょう。
モニター目一杯だったボーカルが急に本番ではリハーサルとは違う大声出したらハウることだって全然あります。
ハウリングは誰にとっても良いものではありません。
これもボリュームの変化により何が起こり得るかを理解していれば対処だってできるかもしれません。
リハーサルで
「今は8割くらいですが本番はもっと全力で歌うと思いまーす!」
と言ってくれる人もいます。
その一言でPAは本番を予測してオペレーションできることでしょう。
ミュージシャンとPAや照明など技術スタッフとでは情報を共有できた方が本番中もすぐに対応できます。
本番ならではのテンションで、リハではやらないことをするのも全然構わないのですが、起こり得そうなことは共有した方が良いライブになるでしょう。
リハでも本番と同じテンション感で出来ればベストだけどできなくても良い
説明してきた通りですが、リハでも本番と同じ状態でチェックできたらそれは1番ですが、人間ですもの全く同じことなんてできませんよね。
極力頑張ってもらって、できなくても全然OKです。
でも、先ほど言ったように、「本番はもっと上がります」とか「本番はアンプ上げちゃうかもしれません」と一言言ってくれるだけで大きく違います。
こういうパフォーマンスをいつもしてます、とかそんなことでも話してくれたらこちらはそれに対応できるように準備もできます。
逆にリハと本番が全く違うとリハーサルはなんのためにやったんだってことになります。
バンドごと、人ごとに考え方はあるかと思いますが、より良いライブを作ることが念頭にあれば解決できる方法は考えられることでしょう。
1人で解決しないでPAに注文して解決するのもスマート
いざ本番になったらモニターが聞こえない、テンションの上がるボリュームにしたい、と思ったらすぐにアンプのつまみを上げたり爆音パワードラムになるのではなくPAに注文するのも解決方法の一つです。
というかこれが1番メンバーや外音に影響を与えず解決できます。
本番でアンプを上げたい状況ならPAに向かってモニターに自分のアンプ上げてーと指差しで注文してみましょう。
PAは「そんな注文受けませーん」なんて嫌がらせはしないので安心して下さい。
アンプを勝手に上げると他メンバーのモニターバランスも変わったり外音も変わったりと不都合がありましたが、モニターから自分のアンプが返ってくるだけなら誰にも影響を与えません。
自分だけがモニターで聞きやすくなって終わりです。はい解決。
ステージ上のボリュームが上がることで何が起こってどんな影響があるのかを理解したら対処法も見えてくるでしょう。
PAへモニターの注文をするだけで解決できるならそれも選択肢の一つとして持っていれば良いライブをするためのあなたの武器になります。
テンポをしっかりキープしてミスなく演奏することだけではなかなかライブを制することはできません。
ライブというものは演奏も含め、パフォーマンスや音響や照明や演出や色々な要素がひとまとまりになり完成し、お客さんを感動させます。
音響や照明で何が起こるか知識を深めることは必ず良いライブにつながりますのでこれまで考えてこなかったことも意識してみてはいかがでしょうか!
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