ライブでの音色の決め方 その2

ベース

ライブでの音色の決め方 その1から続いてポイントを説明していきたいと思います。
見てない方はこちらからどうぞ。

ライブでの音色の決め方 その1
ギターがキンキンで耳が痛かったぜ ベースがモワモワしてて音程がよくわからなかった よくありがちなライブの感想かと思いますがPAもよく頭を悩ま...

 

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等ラウドネス曲線を知る

人の耳っていうのはとてもすごくて、とてもいい加減なものです。

そんな耳の特性の一つとして等ラウドネス曲線というデータがあります。

これがその曲線の図ですがよくわからないですよね。
わからなくてもいいです。
簡単に説明すると、人の耳って音の高さによって聞こえ方がちゃうでってことです。

一応、図を見て説明すると、縦が音の大きさ、上がデカイ、下が小さい。一番上がライブくらいって感じだと思えばいいです。
横が周波数で左が低音、右へ行くほど高音って感じです。一番左が地鳴りくらいの低音で曲線の一番右がスーパーの裏口のネズミ避けの音みたいなものだと思ってもらえればいいです。
真ん中らへんの1000って書いてあるところは、深夜にテレビが終わっちゃってカラーバーが出ている時に鳴ってる「ピー」っていうアレです。

それを踏まえると、体で受けるような低音とネズミ避けクラスの高音は音が大きめでないとあまり聞こえないってことが図からわかると思います。

逆に人の耳が一番聞こえる音の高さは、図を見るともっこり谷がある部分、4k~5kHz前後のところが音が大きくなくても聞こえるってことになってますね。概ね600Hzから7kHzあたりまでは聞こえやすい感じですかね。

さて、さっきのギター高音うるさい問題に話を戻します。
この、人の一番聞こえやすい部分の高音部がまさにギターのうるさいところなんですよね。
人がうるさいと感じやすい高さの音は、ギターに関わらず各楽器は控えめにしても良さそうだというのがわかりますね。
しかしだからといってその帯域の部分をシステマチックに少なくすればいいのかといったらそうではないと私は思います。
必要な基音であったり、伸びやかな綺麗な倍音であれば削らなくていいんです。

なんとなくでも、キンキンする音はうるさいとか、飛行機が近づく低音は音は大きくても耳を覆うような苦しさではないとか、感覚的にわかることだと思います。

等ラウドネス曲線はこんなデータがあるよということを頭の片隅に入れつつ、適切な方法で音の確認をして自分の耳を信じて音作りをしていけばいいでしょう。

 

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低音マシマシ注意

じゃあ等ラウドネス曲線をみたら低音はいっぱい出していいんだーって思ったそこのベーシスト。
確かに低音は高音ほど大きすぎてもすぐに辛くなるようなことはありませんが、また違った理由から気をつけて音作りをしなければなりません。

気をつけるべきポイントは低音は低くなるほど音程が分かりづらくなるということです。

恐らくこれも感覚的には理解できるのではないでしょうか。
高音も同じく高くなればなるほど同じようなことになりますが、なかなかそこまでの高音を意図して出すことは少ないと思いますが低音楽器は意図して出すこともあります。

「迫力のある低音をブーストしまくるぞー!けど、ベースラインはしっかり聞かせたい!」っていうのは
「ビュッフェも行きたいしスイーツもいっぱい食べたい!けどもっともっと痩せたい!><」って言ってるOLみたいなものです。
けれど低音を出しつつベースラインもしっかり聞かせるというのは、OLの戯言よりは簡単に実現可能です。

コツとしてはしっかりとベースラインが確認できる音作りをしてから必要な分の低音を少しづつ足していくのがいいでしょう。
欲しい低音を思い切り出してからベースラインが聞こえるようにMIDやHIを上げていくと高い部分を相当上げなければ抜けが良くならなくなってしまい、ドンシャリや暴れた音になったり結果的に音量が大きすぎになってしまうことがあります。
低音のコントロールというものはPAでもそうですがとても難しいです。低音は指向性が弱い故に音がまわるという現象も起きやすいです。ベースアンプはギターアンプにあるようなEQ(イコライザー)の他にGEQ(グラフィックイコライザー)がついていることが多いのも低音の扱いの難しさをあらわしていますね。

レゲエやダブ、テクノなんかで低音がキモになる音楽であればあまり気にしなくてもいい場合もあります。
音楽のスタイルは尊重した上で、オーソドックスな音作りの参考にしてもらえればいいかと思います。

 

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まとめ

高音うるさ過ぎとか低音ブーミー過ぎとか文句ばかり言ってるみたいですいません。
PAとしては正直なところ無難であればどうにでもできますが、突飛すぎる音を元に戻すことは難しいんです。
イワシを使って料理するのは簡単ですが、アンチョビを作ってあっさり料理作れって言われるのは難しいっていうのと一緒です。(例え失敗)

あれはするなこれはするなと言うつもりではないですが、まずスタンダードな音作りができてから自分の色を乗せていくのが理想だと思います。

白いキャンバスを用意してから絵を描きましょうということです。赤いキャンバスで絵を描くのはくっきーくらいなものです。(例え成功)

マイナスの部分を0へ、扱いやすい音を作るコツを説明したので、次は0からプラスへステップアップしてバンドとしてどうしたらかっこいい音作りができるのかを説明したいと思います。

ぜひ次はこちらを御覧ください。

迫力のあるライブサウンドの作り方
今日のライブ、音の迫力がすごかったわ 爆音はテンション上がるぜ!あれ?けど耳は疲れてないな。 迫力のあるライブサウンドはアーティストとPAの...

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