アンプの音作り…?作り方なんて気持ちいいかどうかだろ!音楽に決まりなんてねーんだよ!
たしかにモヒカンくんの言うとおり、ライブに慣れてきたら気持ちいい音がわかってきて音量感も身につくのでそれでもいいのですが、今回はバンド初心者に向けてアンプはツマミがたくさんあってよくわからないし音量もどれくらいが適切かわからない、そんな人へ向けた必勝法です。人により色々な方法があると思いますが、PAの立場から中音、外音のバランスが取れる方法を私なりに解説します。
今回はアンプの音作りについてです。
ギターアンプもベースアンプも様々なメーカーや種類があり、EQやゲインやボリュームなども各種操作感は違うのですが、今回はバンド初心者ということで、よくスタジオやライブハウスで見るようなオーソドックスなアンプを使いこなせる方法を教えます。
PAをしていると実体験としてバンド始めたての初心者の音作りはシャリシャリだったりモコモコだったり、マイクで拾うのもしんどいくらい小さすぎたり、はたまたバランス崩壊するくらい大きすぎたりすることが多いです。
PAありきでライブをする際に、どういったアンプの音作りをしたらいいかなんて教えてくれる機会はないと思うので是非見て欲しいです。
前回もバンド初心者に向けた記事を書きましたので合わせてご覧ください!
アンプは同じものでも個体差がある
まず、音作りの前に知っていて欲しいのはアンプには個体差があるということです。
トランジスタのJCでもチューブのマーシャルでもあります。
新品で買ったばっかりのアンプと、使い倒されてクタクタになってるアンプでは出る音が違うんですね。見た目がクタクタでもパーツを交換してすごく元気ってこともあります。
ですので、よくやりがちなのが…
ライブ前日にリハーサルスタジオでいい音が決まったからといってその設定をメモしてライブで同じように作っちゃうパターン。これもアンプが違えば全く同じ音は出ていない可能性があるということです。
そのスタジオでできた良い音はその“設定”を覚えるのではなく、その音を“耳”で覚えて下さい。スタジオでの音と同じになるようにまた設定を作るのです。
初めは難しいかもしれませんがこれができるようになると1歩先にいけます。
MYアンプを購入してライブで使うのは、好みの音が出せること以外にこういった個体差の悩みからも開放されるのです。
場所によってセッティングは変わる
続いて、またも音作りの本題に入る前に知っておいて欲しいことその2。
場所によってギターやベースの音の鳴り方は変わるということです。
これも先ほどのアンプが変われば出音が変わるというのと考え方は同じです。
スタジオで狭くて天井低くてアンプ近くてドラムも近いところで作った音作りと、天井も高くてメンバーとの距離も離れるライブハウスとでは音作りの仕方は変わるのです。
天井低くて狭い所だと音がまわったりモワモワしたり、逆にだだっ広いところや野外だと音が抜けてくっていうのは理屈はわからなくても感覚でわかると思います。
ですのでさっきも例に出したスタジオでの音作りの設定をメモしてもあてにならないのは、この理由からも同様なんです。
アンプの音作りの方法
では本題の音作りです。
超簡単に説明したいと思います。
- 前に使ってた人の設定になってたら全てツマミを0に戻す
- bass・mid・treble・presenceなどEQは全部真ん中にする
- GAINとVolumeを上げていきひとまずこれくらいかなーというところにする
- アンプの正面で音を聞いてEQを+もしくは−して好みの音に持っていく
- バンドで合わせて音量を確認。ドラムと自分のアンプの音がどちらも聞こえるようにVolumeを再調整
終わり。
これでバッチリ。
これでステージ上は自分のアンプの音とドラムの音はしっかり聞こえているはずですので、他にボーカルなど聞きづらい音だけモニターからもらって下さい。
この音作りができれば、きっと外音もしっかりとバランスの取れたサウンドが作れるはずです。
この5項目を少し補足解説していきます。
まず①、スタジオなどでは利用前にスタッフが設定を戻しているかもしれませんが、ライブだと慌ただしく転換に入るので設定が前の人そのままのことが多いです。
変な所が上がってたの気がつかないで使ってた!とかないようにまずは全部絞っちゃいましょう。
JCのブライトスイッチやベースアンプのウルトラハイ・ローのスイッチやグラフィックイコライザーも忘れずにリセットしましょう。
②はEQをフラットにします。
EQのツマミはどこのポジションで使ってもらってもいいのですが、絞り切りの状態でもっと絞りたいと思っても回せないし、逆に上げ切りだと上げたくても回せず上げられないので+も−もどちらも使えるように真ん中にセットします。
③はボリュームを上げていきと、りあえずこんくらいだろうってところにします。それだけ。
④でやっと音作りです。
大事なのはアンプの正面で音を聞いてEQを作ることです。
詳しくはこちらの記事にて説明していますが、アンプを背負う形で立って聞いている音はアンプの目の前正面で鳴ってる音とは違うのです。
お客さんに届ける音を基準に音作りをする為にアンプの正面で音を聞く、PAのマイクに入る音を作るイメージでアンプの設定をしてみて下さい。
そして音色が決まったら⑤のドラムに合わせて音量を再調整して下さい。
前回の記事で説明した通り、ドラムのリズムに合わせて演奏するのが初心者脱却の第一歩です。
ドラムがしっかり聞こえて、かつ、自分の音も聞こえる状態にボリュームを合わせましょう。
例えば、それで上手のギターの音が下手のベースの人には小さくてあまり聞こえないという場合もあるでしょう。
そんな時にはモニターから欲しい音をもらったり、ギターアンプを下手向きにちょっと角度をつけてあげるという技もあります。
他のメンバーが聞こえないからといってアンプを上げていったら自分はドラムの音が聞こえなくなり、さらに大きすぎて外音も崩壊する危険があるので、ドラムとアンプのバランスを合わせたらあとはモニターの返しで対応しましょう。
これを実践すればショボすぎor暴れすぎ、な音にはならず、バランスの取れた音になるはずです。
「ばかやろう!爆音でやるのが俺らのバンドなんだよ!」ってモヒカンくんみたいなバンドでも、外音を爆音にするのはPAでできますのでご安心ください。アンプを上げすぎるとPAではバランスが取りきれなくなり、爆音でなく、うるさいだけになってしまうのです。
エフェクターを使う場合
ギターなどで歪ませた音がメインであれば、その音を中心にドラムと合わせてバランスをとってみましょう。
そのメインの音のオーバードライブやディストーションに対して、クリーンが何%小さくなればいいかを決めていきます。
クリーンが小さすぎであればアンプを上げます。アンプを上げたので歪ませた時も大きくなってしまうので歪みのエフェクターのボリュームもしくはゲインを下げます。
クリーンが大きすぎる時は逆で、アンプを少し下げるのでその分、歪みエフェクターを上げましょう。
歪み具合が変わるとその後の空間系などのエフェクターの乗り具合も変わってきますので調整していきます。
大事なのはまず音量を決めてからということです。
音量を決める前に空間系や飛び道具系のエフェクターの設定をしても音量を決め直したら、また再度調整する羽目になり二度手間です。
ライブに慣れたらオリジナリティをぶつけろ
アンプの扱いも、タッチのコントロールでの出音の変化もわかるようになってきたら、もうバンドとして基礎は固まってるはずですので、そこからはオリジナリティをどんどん出して下さい。
しかし、初心者のうちにオリジナリティ全開でやろうとするとだいたいズッコケるので、本項の方法で基本を耳で覚えてみてはいかがでしょう。
必ず初心者でもまとまったバンドサウンドになるので、実践して良いライブをしてください!
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