ライブ本番前の転換の作法

ライブの為に

ライブ前の転換?そんなの準備するだけだろ。またなんか文句言うつもりか!

文句言うつもりはないんですが、限られた時間の中で手際よく、かつ、万全な状態を迎えられるような準備ができているバンドって少ないと感じているので解説してみたいと思います。バンドやその人によって確認する項目はそれぞれだと思いますが、最低限の注意とチェック項目を把握してほしいです。

モヒカンくんの言う通り、バンド活動って基本的に自由で、音楽を表現できそれが見ている人に伝わればそれ幸いなのですが、他の対バンがいたり、会場のスタッフや制作が関わるとなるとそれは人と人だったりお金だったり時間だったりいろいろな要素が絡んできます。そうなると多少の段取りや進行の上での効率も求められることだと思いますので、そのへんを覚えてほしいと思います。
若い頃から出演している地元のライブハウスなどあれば面倒見がいいPAさんや店長さんが教えてくれたりもあるかもしれませんが、きっとこういうことって誰に教わることなく見よう見まねでやっているんじゃないかと思います。ですのでPA目線からどうやったら上手くいくかを私なりの経験から伝授いたします。

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まずは待機

前のバンドが終わって転換が始まった瞬間に、エフェクターボードやスネアやシンバルやペダルや持ってステージに上がったら前のバンドの片付けとバッティングしてステージはカオスと化します。急いでも逆に時間がかかる結果になりますので、まずは待機。
こちらのリハーサルの記事にそのあたり詳細に書いてますのでご覧下さい。

バンドリハーサル完全攻略ガイド
リハーサルって何すればいいかイマイチわかんないよな。テキトーに曲やってモニターもらって終わりって感じ? こういった方も多いのではないでしょうか。リハーサルがどんな目的で進行してい...

ですので、まずは前のバンドの片付けを待ちます。前のバンドの機材の捌けを手伝ったりしたら友情が芽生えて今度対バンに誘われたりするかもしれないのでオススメです。

前のバンドが片付け終わってもアンプやドラムの移動がある場合は、勝手に入るとその段取りがスムーズにいかなくなることもあるのでスタッフの指示を待ったほうが良いこともあります。「準備していいですか?」と一声かけるといいでしょう。

前のバンドが全員捌けてアンプなどの移動も終わったら、さあ転換です。

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リハーサルと同じ状態に復帰するだけ

リハーサルをやってそこでバッチリ音は決まっているはずです。ですので、本番前の転換はリハーサルと全く同じ状態に戻すだけでバッチリな状態が作れるのです。

  • アンプ、エフェクターのツマミ
  • ドラムのセッティング
  • キーボードのツマミやボリューム、各音色の確認
  • ドラムの配置

これらをリハーサル状態に戻し、パッと音を出して問題なければ終わりです。すぐに袖に捌けましょう。

PAも同じでリハーサルと同じ出音になるように卓を復帰しています。

なので、本番前直前で勝手にバランスを変えたりするとリハーサルの意味がなくなってしまいます。よっぽどのことがない限り変えないでリハーサル状態にして本番に望みましょう。
お客さんが入ったことによって聞こえ方が変わることもあるでしょう。そういう時は本番中でもツマミを調整するのは僕はアリだと思います。しかしステージ上のモニターバランスが変わることは理解してください。本番中の調整をナシだとするPAの方もいるかもしれません。
しかし、本番前の転換は基本的にはリハーサルと同じにしましょう。その本番で何か演奏し辛いことを学んだら次のライブでは、前回本番でこうだったからリハーサルの時点で対策しておこうといった具合にバンドとしての成長に繋げていきましょう。

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最終チェックをする

では本番を迎えるにあたってのチェック項目です。まず、音出し確認です。音が出なければ話になりません。しっかりと音が出るかチェックします。しかし、チェックだけです。練習とか始めないでください。
次に各エフェクターのツマミがリハーサルと同じになっているかチェックです。リハーサルの終りにアンプだけでなくエフェクターのツマミも写真やマークなどで本番に復帰できるよう準備しておいて下さい。
エフェクターも各音色ごとに1発音を出しておけば安心でしょう。ただし、音出し確認をするだけです。弾きまくったりしないように。
アンプも同様にリハーサルと同じ状態にツマミを戻します。
そして最後に必要な場所はガムテで止めましょう。こちらの記事にも書きましたが本番中にアクティブに動き回るプレーヤーはシールド抜けがちです。

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ですので、シールドが抜けやすい箇所はガムテなどで止めておきましょうトラブルが減ります。
ですが、ライブハウスや特にホールなどではステージはガムテープを床に貼るのを禁止している場所もあるので事前に確認してから貼りましょう。養生テープならOKだったりします。

アンプ側はこのように

JCなら取っ手の部分に通したりすると簡単に抜けにくくなります。

マーシャルならこのようにキャビの取っ手部分に通すといいでしょう。
アンプヘッドの取っ手につけると強く引っ張られたときにアンプヘッドが落ちて危険ですので、やるならキャビの取っ手にしましょう。
どちらにせよ強くシールドを引っ張られたらJCでもマーシャルでもアンプが倒れるのであまりに暴れるならやらないでください。

ドラマーはしっかり叩きやすいようにセッティングしましょう。
これもよくいるけど気持ちよくなってドカドカ叩きすぎないように。転換中だぞ。
パワーヒッターでハイハットやペダルが動くのが気になる人はガムテなどで止めるのも大事です。

キーボードもアンプで出す場合は音出しをして各音色チェックしてOKなら良いですが、ライン出力する場合には最終的にPAとラインチェックをします。これも今度詳しく記事にしたいと思いますが、簡単に言うとリハをしてからケーブルを抜き差ししたので半刺し等で本番に音が出ないと惨事になるから本番前にチェックしとこうやっていうものです。
詳しく記事にしました。こちらも合わせて御覧ください。↓

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セッティングを済ましてキーボードを弾いてたりしていればPAはそのまま音をもらいチェック完了しますが、セッティング後に弾いていなかったらスタッフからチェックで音出ししてと頼まれるはずです。そこで弾いてケーブルがしっかり繋がり音が出る状態か確認します。
そこまで終わればキーボードもギターやベースと同様に、動き回るのであればケーブル類や電源など、抜けたら困るものはテープで止めておきましょう。

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余計な音出しはしない

何度も言いますが転換中は転換するだけの時間です。
リハーサルの時も同じですが、大きい音を出してライブの環境でバンドで合わせるのは楽しいです。たしかにそれはわかります。
だけど今日はライブです。無駄な音出しをする場所ではありません。お客さんに自分のライブを見てもらう場所です。
リハーサルの状態に戻すだけでもツマミだったりケーブルが邪魔にならないようにしたりチェックするところはたくさんあり、ジャカジャカドコドコやっている暇なんてないはずです。
速やかに転換の作業だけをして下さい。

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不備があれば次に活かす

これで本番を行い、もしライブ中に準備不足によるトラブルが起きたりしたら次のライブには同じ事態が起きないような転換時の準備を追加しましょう。
トラブルが起きたら次には同じトラブルは起きないようにしていけばどんどんトラブルとは無縁なライブが増えるでしょう。
そうやってより強固なバンドになっていってください。

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