転換時間、演奏時間を押すのは何故いけないのか、時間が押すと何が起こるのか。

ライブの為に

押すな押すなってしつけーんだよ。時間守ったほうがいいことくらいわかってるよ。けど盛り上がったらちょっとくらい押すこともあんだろ。そんくらいいいじゃねーか。

今回は散々他の記事でも時間を守って、押さないでと言ってきましたがそれはなぜかを説明していきます。モヒカンくんのように少しくらいならと思っている人もいるんじゃないでしょうか。みんながそんな気持ちでライブをするとどうなるのか、どんな影響があるのかを解説していきます。

時間を守らなきゃいけない。そんなことは口うるさく言わなくてもみんなわかっていることだと思います。だけど、少しならいっか別に迷惑かけるほど押してるわけではない、とそんな大げさに考えず少しルーズになっている部分もあるのではないでしょうか。
ライブに慣れてくると持ち時間とセットリストの時間配分を計算したりということが少なくなってしまうのではないかと思います。
そうして押した時間がどう影響するのかを説明していきますので、読み終わったら時間について今一度考えてみてほしいと思います

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チリも積もれば…

冒頭でモヒカンくんも少しくらいと言っていましたが、それが5バンド、6バンドとみんな同じ気持ちで転換の少しの押しもその少しずつが合わさって終わる頃には大きな遅延となってしまいます。

例えば6バンドが出演するライブで
演奏…3分
転換…2分
それぞれ押していった場合はイベント終了時には30分弱押していることとなります。
ひとバンドひとバンドのちょっとした気の緩みで終演時間はどんどん押していきます
少しくらいいっかという気持ちは捨ててください

ホールや会館などでは会場利用時間を押したら押した分きっちり延長追加料金を取られます。ライブハウスももっとそうきっちりした方が良いんじゃないかと思うくらい時間にルーズな人がいます。

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お客さんは押してるかどうかなんてわからない

タイムテーブルを公開していない限りお客さんはどのバンドで押したかはわからないし、そもそも押しているのか巻いているのかすらもわかりません。
ライブの終演がすごく遅くなったとしてもタイムテーブルを組んだ人が悪いと思うのではないでしょうか。
しかし、スタッフはタイムテーブルを周知して仕事をしているので時間をしっかり把握しています。
どのバンドが転換で何分押した。演奏時間を何分超えた。みんなわかっています。
あのバンドはいつも演奏時間を押す、転換をのんびりやって押す、急いで頑張っているけどオーバーしちゃう。スタッフは顔や口には出さないかもしれませんが、あなたのバンドが時間に対してシビアかルーズかの印象は持っているはずです。

時間が更けていくにつれ時計を気にし、タイムテーブルがわからないお客さんはなぜこんな遅い時間になるのか理由もわからずそわそわしてしまうことになります。

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時間を押すと何が起こるか

では一番大事なところ、押すと何が起こるのかです。
押したところで終わるの遅かったなーで済むならこんな話はしません。

スタッフの帰りが遅れる

夜更かしはお肌の敵。
タモリ倶楽部が見られない。
今夜はお仕事終わりに憧れのアノ人とデート(*˘︶˘*).。.:*♡
など、終演時間が押してバラシ・撤収をしたら予定していた時間に帰れない。最悪終電をなくすなんてこともあります。次の日の入り時間がめちゃめちゃ早いのに押して押してどんどん睡眠時間がなくなっていくなんてことも。
まぁ、そういう業界で働いているのでそのへんは理解してるはずだと思うのでこの理由は置いておいて次からです。

周りの店舗や住宅からの苦情

ライブハウスやホールなんかでもそうですが、大抵は繁華街にあります。
そして中には完全に音止め時間が設定されている会場もあります。
注意事項として会場側から説明されるかと思いますが、説明されない場合もあるかと思います。
音止め時間を超えたら確実に音を止めるというところもあれば、ダメだけれど渋々終わるまではライブを続けるところもあるでしょう。
どちらにせよ、もし周りの店舗や住宅から苦情が入ったり通報されたりということがあった場合はライブハウスやホールは注意や警告を受け、それが続くようだと営業の存続にも関わってきます。
楽しくてちょっと長めに喋っちゃったMC、盛り上がって長めにやっちゃったコールアンドレスポンス、ライブに疲れて片付けがのんびりになっちゃった転換などで会場の存続危機という事態になりかねないということです。

お客さんが困る

「ライブは自分の音楽を表現のみをする為の場である」という尖った人でない限り、お客さんに自分たちのライブを見てもらい楽しんで帰ってもらいたいと思うのではないでしょうか。

私の経験でこんなことがありました。
転換中にお客さんの話し声が聞こえてきて、トリのバンドがすごく楽しみだと話している人がいました。しかしその日は出るバンド出るバンド押していきます。次第にそのお客さんは時間を気にし始めました。何バンド出るかはわかっているのだけれどお目当てのバンドはイベントの主催者でツアーなのでもちろん出番は最後です。しかし遅い時間になってもまだこれから演奏するバンドが残っています。そわそわしているのが手に取るようにわかります。結局演奏中のトラブルなどもありトリのバンドが出る頃にはすごく押してしまいそのお客さんは目当てのトリのバンドを見れず帰ってしまったのです。
終電の関係でお目当てだったバンドが見れなくなる。こんな悲しいことってあります?
たいていトリは有名なバンドだったり、主催しているバンドだったり、ツアーのバンドだったり、それを楽しみに見に来ている人が多いのではないでしょうか。さらにアンコールまであることもあります。まったく見れなかったという人はすくなくともアンコールは時間の関係で見れなかったという話はたくさん聞きます。
企画者はタイムテーブルを作る時にお客さん全員がアンコールまでは見て帰れるような時間設定にするはずです。しかし見れなかったというときは押しているのが原因なんじゃないかと思うのですが、はじめに書いたとおりお客さんにはなんでこんな遅い時間になってしまったのかはわかりません。

私はアーティストに長い期間PAとして帯同することもあり、その時に各地のお客さんの顔を覚えることもあります。そうすると、大阪で東京のお客さんの顔を見ることもありますし、北海道の会場で名古屋でよく見るお客さんをみることだってあります。みんな帰れるだろうと思っていても、お客さんは新幹線や飛行機で来ていることだってあるんです。
それをすべて加味してすごい早い時間に終演時間を設定しろというのは現実的ではないですが、そうやって遠くからでも見に来ている人だっているのだからそんな熱心なお客さんを悲しませるような押し方をするのはやめようよということです。

目の当たりにしてないとわからないかもしれませんが、そんなことが意外と日常的に起こっているのが事実です。

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結局自分が損をする

その会場に来てくれるお客さんが減るというのはあなたのライブを見てくれる人も減りますし、その会場のユーザーも減らすことになります。
遠い会場にはもう行かなくていっかという考えになった損失というのはとても大きいと思います。

時間が押して夜遅くまでライブが鳴り響き、騒音問題でライブハウスが経営できなくなったらあなたの演奏する場所がなくなってしまいます。
そんな店の存続に関わるような危険を冒してまで時間を押すバンドは誘いたくないという考えになってしまうかもしれません。

あなたのバンドを楽しみに見に来たお客さんの為でもあるし、演奏する場所であるその会場を守るために時間は押さないよう、今一度考えてみて下さい。

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