そんなのいちいち送ってられるかよ!なんのためのリハだよ!リハで確認すればいいだけだろ!
ライブでもCDとおんなじエフェクトかかってる時あるけどそういうのやる時は必要なのかな?
今回はライブハウスに要望や音源などの資料を送るといいことあるよってお話です。出演するライブ毎に必ず送るべきといった必須事項ではありません。ですが、このひと手間で他のバンドと差がつくライブができます。
これまでバンド活動をしていてライブハウスに音源などの資料を送ったことってあるでしょうか?
セット図などは当たり前に送るとしても、音源資料や要望をいつも送ってるよってバンドは少ないと思います。
しかし、やってるやつはやってる。
バンドの戦いはライブ当日よりも前から始まっているんです。
どんな要望がある時に必要?
PAに関してだと、[この歌詞だけに四分のディレイ]や[イントロのこのリフの瞬間にSEカット]などテンポやタイミングが決まっている演出がある場合は音源と歌詞などを送り事前に確認してもらうのが確実でしょう。
逆に音資料などを送らなくても対応できるのは、[この曲だけリバーブ深め]とか[手を上げたらSEフェードアウト]など、タイミングがシビアでないものです。
キメでしっかりエフェクトをかけるのであれば、しっかりその曲を聞いておかなければ難しいでしょう。
PAや照明は常にキメやフレーズを追いかけてオペをしています。
曲を知らなければ目の前で演奏するのを追いかけることしかできませんが、音源を予め聞いていれば、追いかけるのではなくキメやフレーズに合わせにいくことができます。
キメの時に音の頭のアタックが、バンドとPAと照明がバチッとハマるとカッコいいんですよ。
そういうのって技術スタッフが専属でついているような人気のバンドでしかできないと思ってませんでした?
実は資料と要望を送ってあればそれくらい出来ちゃうこともあるかもしれないんですよ。
それだけで見に来ているお客さんにインパクトを与えるライブになるかもしれませんよ。
リハーサルではどのタイミングで確認する?
リハーサルでは中音・モニターバランスが決まり、外音のミックスバランスも決まったあたりに注文をしましょう。
モニターやメインミックスが決まっていない段階でエフェクトなどをやりだすと、演奏もしづらくなったりハウリングを起こしたりと収集つかなくなり、音がぐちゃぐちゃのままリハーサルの時間がなくなるなんて事態も起こり得ます。
音のエフェクトや照明の要望などもちゃんと曲で通せるように中音、外音のバランスが決まってからというのが重要です。
ライブだからって再現できないことはない。やりたいことは言ってみるべし。
レコーディングをしたことがある人ならレコーディングエンジニアに色々と注文しているはずです。
「ここのボーカルは歌詞がしっかり聞こえるようにしてほしい!」
「ここのドラムのフィルは強調してほしい!」
「ここのギターソロはバキバキに目立つように!」
などなど、自分たちのバンドのイメージを伝えているはずです。
ライブでも同じように注文していいんですよ?
たしかにライブの時のリハーサルはレコーディングのように時間に余裕があるわけではないですが、バンドがこうしたいというのはPAだって欲しています。
基本的にPAは音楽に詳しいです。(たぶん)
バンドがどんなイメージを求めているかわかれば色々な引きだしからカッコよくなるようにミックスするはずです。ですので遠慮なく言ってください。(リハの持ち時間の範囲で)
技術・機材的にできないことはしょうがないが、時間的にできないものはもったいない
先ほどレコーディングのようにやりたいことがあればなんでも言ってみるべしと講釈を垂れておきながら申し訳ないんですけども、レコーディングではできてもPAではできないこともあるんです。
なぜかというと、その要望に対応する機材がない場合、PAの技術が足りない場合、ハウリングが絡んでくる場合などがあるからです。
機材やPAの腕の問題は各ライブハウスの機材やエンジニアによって様々なので出来るところもあれば出来ないところもあるといった具合です。
ハウリングが絡んでくるというところもステージのサイズや吸音による要素もあるのですが、ボーカルに激しい歪みエフェクトなどはどう頑張ってもハウってしまったりレコーディングでは可能でもライブでは不可能なものもあります。
出来ないものは諦めるしかない場面もありますが、そのやりたい演出の練習がリハーサル時間内では足りないからできないっていうのはもったいなくないですか?
そのエフェクト、できるんだけどリハーサルの5分そこらで初めて曲聞いて1回確認しただけでは本番一発勝負でできるかはわからないってことです。
例えばギタリストのあなたがライブをする当日に、その日に対バンする他のバンドのギタリストがある事情で来なかったとしましょう。その困ったバンドが急に「ギタリスト来ないから頼むから弾いてくれ!ソロも完コピでお願い!」ってリハの時に相談されたらどうです?
簡単に「できるよ!いいよ!」とはならないでしょう。
PAも同じなんです。
当日に細い注文を受けても難しいこともあります。
1週間前2週間前に当日ギタリストが来れないからサポートをお願いしたい。
セットリストはこれで歌詞カード、譜割り、音源を送るから当日よろしく!なら、頑張って練習すればできますよね?
PAも同じなんですよ。
細かいエフェクトの注文や演出があれば事前に資料を送ってもらえれば対応しようと頑張るはずです。(PAのスキルや、やる気や人間性は置いておいて)
急なサポートのお願いでも、簡単なオープンコードでジャカジャカとメインメロディでないフレーズだけなら当日でもコード譜をもらえればできるかもしれませんよね。
これまたPAも同じです。
簡単なエフェクトなら当日でも対応できるはずです。
つまり、簡単な要望であれば当日でも対応できるけど難しい・細かい注文を当日に頼まれてもできないこともあるよということ。
そんな難しい注文でも事前にしっかり資料と一緒に送ってくれれば当日にバッチリできるように練習しとくよっていう単純な話です。
PAが仕事なんだろ!そんくらいできるのがプロだろうが!
おっと、モヒカンくんのツッコミが入りました。
しかしどうでしょう。プロのスタジオミュージシャンでなんでも弾けるような人でもリハで急にサポートを頼まれて難しいフレーズまで弾けと言われても無理でしょう。
むしろプロならしっかりと自分の仕事を遂行できる環境でないなら受けないはずです。
下手に仕事をした悪評は自分に降りかかります。
演出やこだわりを持つのはすごく良いことです。
そしてそれをしっかりお客さんに見せたいのならPAや照明や制作や舞台のスタッフまでしっかり準備ができるよう整えて要望を出すのが成功の鍵です。
スタッフも人間です。そして仲間です。
「しっかり準備をして良いライブを作りたいんだな、自分も頑張ろう」と思わすか、
「直前に無茶な注文ばっかりだな」と思われるかは立ち回り次第です。
ぜひ前者を目指しましょう。
バンドの表現にPAや照明の演出も必要ならどんどん巻き込もう
今回、PAに関する注文の話でしたが照明への注文も当てはまるはずです。
特に照明はライブ中、全てのフレーズとフレーズやキメを意識してオペレーションしています。事前に曲を知ってもらう効果はバツグンです。
正直、毎日全バンドがセットリスト全曲の音源と要望資料を送ってきても我々大変です。持ち帰り残業であります。量が多すぎたら無理かもしれません。
ここまで読んだ人ならどんな要望なら当日対応でよくて、どんな要望なら事前に連絡しとくべきかわかったはずです。なので当日確認で大丈夫なものは、リハーサルで確認しましょう。
でも、ここだけは譲れないってものは気兼ねなく言ってください。必ずPA、照明は協力します。
我々も良いライブを作りたいという同じ目標を持っていますので是非スタッフも巻き込んで良いライブを目指してみてください!!
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