ドラムが端っことかカッコイイじゃねーか。どうせ移動したり準備がメンドクセーからだろ?バンドの好きなようにやらせろよ。
今回はドラムの移動や複雑なセッティングのバンドに知っておいてもらいたいことをお話します。モヒカンくんの言うようにメンドクセーとまで思わなくとも、転換に時間が取られて流れがスムーズでなくなったり、それによるトラブルも含んだりとあまり率先して勧めることはありません。ではどうしたら良い転換ができるか、また複雑なセッティングによるデメリットを解説します。
ドラムの移動と一言で言ってもドラムを移動するだけではなく、ライブですから集音するマイクとそのケーブル類をまとめて移動する必要があり、それに伴って移動先の場所にあるアンプを移動したりと普通のライブハウスでは大掛かりな転換になることも多いです。
そんなドラム移動や複雑なセッティングのバンドに関するお話です。
特殊なセッティングの場合は必ずセット図を送る
ドラム移動がある場合は、こちらの記事にも書きましたがしっかりとセット図を事前に送り、ドラムの配置を転換時に変えなきゃいけないこと、セッティングが複雑であることをイベント企画者やイベンターやスタッフに認知してもらう必要があります。
たくさんの機材を使ったり、通常のドラム配置でない場所に移動することがあなたの音楽を表現する上で必要であるのならば、是非協力して良いライブをこちらも作りたいと思うので、しっかりセット図を伝えて下さい。
もしイベントを企画している人が想像するよりもセッティングに時間が必要な場合は、バンド側から転換時間○分下さいとお願いしてもいいと思います。
可能であればその時間がもらえると思いますし、それが無理なら出順を1番目にするなり工夫をすると思います。
イベントのタイムテーブルを組む際にはそういったステージチェンジの時間配分も考慮して本番時間、転換時間、オープン時間、リハーサル時間、入り時間を決めなければいけないのです。
転換で押しても演奏終了時間は守る
もし、バンドのセッティングが伝わっていないことで長めの転換時間が用意されず、転換時間内でドラムの移動や機材セッティングができないようであれば転換時間から漏れた分は本番の演奏時間を短くして帳尻を合わせる必要があると思います。
転換に時間がかかって押して、さらに本番も時間通り演奏し押して終わるのはマナー違反だと思います。
逆に言えばどれだけ複雑なセットでも演奏時間を短くして次のバンドへの転換もスムーズにできて押さずに進められるなら何も問題はありません。
私もライブハウスにバンド専属PAとして乗り込みで入ることもあります。
良くやっていて慣れているライブハウスではいいですが、初めて行くところだったり初めて扱うミキサーコンソールだったりした時、リハーサルの時間内ではチューニングなど追い込めないだろうなと予想された時はライブハウス側に入り時間を早めてもらって時間をもらう交渉をすることもあります。
他のPAさんもやっていますし、本番日より前の予定の合う日にライブハウスに伺い、ミキサー卓のレクチャーや注意事項を受けたりチューニングをしたりすることもあります。
時間に間に合わなければ押すのではなく、自分のパフォーマンスを出すのに必要であれば交渉するのが筋だと思います。
なぜドラム移動をするのか聞いてみた
ギターとドラムなど2ピースのバンドであればどちらも目立つようにと横並びにしたいというのはわかります。しかし普通の3ピースや4ピースバンドではなぜそうするのか疑問に思うところもあります。
以前に比較的話しやすいバンドに何故ドラムを移動するのか聞いたことがあります。
私の予想ではドラムを全員で目で見てリズムをとりたいとかかと思っていたのですが、目からウロコの答えでした。
そのバンドはドラムボーカルでした。ドラムがマイクに向かって歌うと顔は左向きになります。お客さんに向かって歌っているのにステージの上手を見て歌うのは変だ、だからドラムを上手に置いて左手側にあるマイクに向かって歌ったらお客さんの方向を向けるようにしたいとの話だった。
これは私はまったく気づけていなくてすごく納得したしそうすべきだし協力しなければならないと思いました。
対してもう一つ他のバンドは、好きな○○というバンドがドラムが下手にあってかっこいいからという理由でした。先程の納得した回答があった故にこちらはどうにも腑に落ちなかったのです。
たしかに見た目のかっこよさや演出面もライブにおいて大事であることはわかります。でも何か他にもっと先にやるべきことがあるんじゃないかと思ってしまうのです。
その○○というバンドは有名なバンドで、有名なバンドが大きな会場で対バン形式でライブをする場合はドラムライザーというキャスターのついた台の上にドラムが乗ってコロコロ転がしてステージ上を移動できたりします。ドラムの位置も思い通りに動かせます。
大きな会場で転換時間ももちろん考慮されているしスタッフの人数も3倍4倍いたりするそういった環境だからできることをライブハウスに持ち込むのをどう感じるかは人次第ではありますが、私個人的には、音楽ですしかっこよければいいと思うが、発展途上ならその前にやることあるやろもっと練習しろよと正直思います。
そんな私の主観的なことはひとまず置いていて少なからずデメリットあるぞということを次に解説します。
デメリットを理解する
ドラムの移動や、セッティングが複雑だったり時間がかかると、出演順が1番目になったり、タイトなタイムテーブルの時にブッキングが躊躇されたりすることは少なからずあると思います。
人気のバンドならそれでも良いかもしれませんが、若手でこれからと言う時に「カッコいいから」という理由だけでドラムを移動していたりするとそのカッコいいというメリット以上に良いライブのブッキングを逃していたり、時間を押すバンドというイメージを持たれたり、損失が大きいかもしれません。それを損失と捉えるか必要経費と捉えるかの判断は自由です。
それでもドラム移動をしますか?
ここまで読んでいただいて、それでもドラムを移動するというのであればそれでも全然いいと思います。音楽の表現方法は自由です。
ドラムを移動したい、アンプをたくさん使いたい、エフェクターをたくさん置きたい、同期音源をたくさんの回線で流したい、それらも全部もちろん協力します。
しかし、本質に音楽としてかっこいいかという信念を持っていてほしいと願います。
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