ライブハウスに入ったら”この”挨拶をしよう!

ライブの為に

あ?挨拶だって?いつも「チャース」とか「ざーす」とか言ってるし。何が上から目線で挨拶しようだよ。PAが偉そうにしてんじゃねーよ。

今回は挨拶についてです。挨拶って人によってしっかりとする人もいれば蔑ろにする人もいて、価値観の問題だと思うのですが、挨拶の仕方ひとつで進行がスムーズに、そしてまたもや自分たちのリハ時間を伸ばせるチャンスも秘めているかもしれません。そんな挨拶について説明します。

挨拶について説明するのもとても悲しくなる話なのですが、あまりにもできないバンドマンが多く困っているのであえて解説したいと思います。
もちろん顔なじみであったりする場合はチャースでもハグでも肩パンでもなんでもいいと思います。

スポンサーリンク

正解の挨拶とは

まず正解を出しておきます。

「おはようございます!〇〇〇(バンド名)です!よろしくお願いします!」

たったこれだけです。しかしこれができない人が多すぎること。
体感で80%この挨拶ができていません。できているのは10%くらいでしょうか。
名門野球部なら全員正座レベルでできていません。
が、しかし、全員が全員挨拶しないというわけではありません。仕方の問題なのです。
次をみて下さい。

スポンサーリンク

あなた誰…?

「おはようございます!よろしくですー!」

「おはようございます。よろしくお願いします。(…であなた誰?)」
この挨拶が一番多いんです。
これが80%です。
残り10%はなんの挨拶も無いです。これはただ悲しい。
元気に挨拶してくれていいのですが[バンド名]がないんです。このバンド名をみんな頑なに言ってくれない。

バンド名を言われず、そのまま今日のSEですとかCDを渡されたりする。どのバンドで流したらいいんでしょう。
バンド名を言われず、モニターはドラムの3点強めでとか言われたりする。どのバンドかわからんしなんのパートかもわからん。
バンド名を言われず、もうリハの準備していいですか?とか聞かれる。あなた何番目のバンドかわからないです。

こんな悩ましいことが毎日起きています。
そうです、わかります、こっちから「どちらのバンドさんですか?」と聞けばいいんですよ。そしていつもそうしているんです。そうすればいいだけなんですが、毎日それを聞いているんです。
なんとなく私の感覚ですが、バンド名を聞くのって少し申し訳ない気持ちがあるんですよね。
知らないのが失礼というか、すごく昔に一度だけ仕事をしたことがあるとかだとこっちが覚えていないのがいけないんじゃないかとそんな気持ちになるので少し聞きづらいこともあります。
一日で6バンド×4ピースで24人×1週間で168人でそれが1ヶ月で5040人とかの顔を全員覚えられないんですよね。実際こんな多くはないでしょうが、なかなか覚えられないんです。すいません。精進します。

逆に私も乗り込みで他のライブハウスに行くこともあります。
そういった状況下ではバンドマン側と同じです。
そんな時は現地のPAの人に「本日、○○(バンド名)の音響を担当します〇〇(名前)です。よろしくお願いします。」と言っています。
とくに考えることなく当たり前の挨拶だと思ってしています。
当たり前だと思ってしています。
当たり前だと…

スポンサーリンク

スタッフはなんのスタッフかわかる。バンドはどのバンドかわからない。

バンドマンサイドから見たときに、「おはよざすー」っと入ってきたときに、

PA卓にいる人=PAオペレーター
照明卓にいる人=照明オペレーター
舞台でステージワークをしている人=ステージマン
ドリンクカウンターで準備をしている人=ドリンクスタッフ
事務所にいる人=店長やブッキングマネージャー

と、なんとなく何の担当の人間だかわかると思います。
ですので、チケットリストは受付にいる人に渡したりだとか、セット図はテクニカルのスタッフに渡したりできるんですよ。

ところがどうでしょう。「おざーす」とバンドマンが入ってきました。
ライブハウスのスタッフは
(誰だ?酒屋さんか?宅配か?)
(いや、楽器を背負っているからバンドの人だな…!?)
(どのバンドだ?わからない…!!)
(どれかのバンドのギターの人だな!)
(いや、違う…っ!ケースが少し長いからベーシストだな!?)
(バンド名がわかる手がかりは無いか…?たのむ…どっかのライブハウスのPASSを貼っててくれ…!!)
(PASS貼ってない…!!詰んだ…!!終わった!!)
という心の叫びが“挨拶の中にバンド名が入っていないことで”毎日行われているのである。

スポンサーリンク

こっちから挨拶するよう試みたが…

こっちからバンド名言えや、って偉そうに主張するのも申し訳ない。

そうだ!こっちから丁寧に挨拶をすればバンド側もしっかり挨拶してくれるはずだ!
確かに考えてみたら、初めて来るライブハウスって緊張するよな!
ライブハウスの店員ってみんな愛想悪いって思われてるかもしれないし!
こっちが名前も言って自己紹介をしたらスムーズにバンド名が出てくるはず!

というわけで私も歩み寄りたい思い、
「(満面の笑み)おはようございます!(^o^)PAの○○です!(^o^)今日はよろしくお願いします!(^o^)」
というようにしてみたのだ。

しかし、
「よろしゃーす…」

おかしいぞ。何も変わっていない。
「誰か谷沢に基礎を教える人間はいるのか…?」
アメリカに行った谷沢を見た安西先生と同じ顔をしてしまう。

これは人によると思うし、今も継続して検証中ではあるのですが、結果は変わらないということが少しづつわかってきています。

スポンサーリンク

バンド名を含む挨拶をすることによるメリット

ちゃんと挨拶しろよーと言っても、勉強しなさい勉強しなさいと口うるさく言うオカンと一緒で言われれば言われるほど嫌になるもの。
最初に正解として紹介した挨拶ができるとこんないいことがあるよという部分も最後に紹介したいと思います。ムチばかりではひねくれて不良になるものであるのでアメの部分がこちら。

挨拶してくれるバンドがみんなバンド名を言って挨拶をしてくれたら、
例えば1番目のバンドが渋滞で遅れているなんて状況の時に、「さっき挨拶してくれたバンドは次のリハのバンドだったな。じゃあメンバー揃っていたから先にお願いしてみよう。」
とリハの進行がスムーズに行えることもあるかもしれません。
挨拶のときにバンド名を名乗ってくれていなかったら「渋滞は仕方ないもう少し待とうか。」となってリハが押し押しで時間が少なくなっていたかもしれません。

他にも例えば、挨拶の時にバンド名を教えてくれていたら、
「あのバンドそういえばメンバー変わったって言ってたかな?じゃあ前のバンドがリハやっている間にセッティングが変わってないか聞いておこう。」となり、セッティングが滞りなく進めば、下記の記事でも書きましたが、前のバンドが終わった瞬間にすぐにステージ上はあなたのバンドのセットにでき、すぐにリハに進め、結果リハーサルの時間を長く取れるということに繋がります。

セット図/ステージプロットの作り方
セット図ってよくわからないからなんとなく送ってるわ そんな人多いと思います。 今回はライブ出演する際に必須なセット図の作り方のポイントを紹介します。会場側が欲している情報は...

たった挨拶一つですが、その挨拶一つでリハーサル時間が長くなるかもしれない、ワンコーラスやる時間が増えるかもしれないという可能性を秘めていることをわかっていただけでしょうか。
嘆きも少し含んでましたが、アーティストとスタッフ陣が良い挨拶をして良いコミュニケーションをとって良いリハーサルをして良い本番を迎えるということが本項の本当に伝えたいことですので参考にしてもらえればと思います。

コメント