モニタースピーカーを知れば演奏はもっと上手くなる!

ライブの為に

モニターってステージに置いてある返しを聞くアレだろ?それくらい知ってるよ。アレの何を知るんだよ。仕組みとか興味ネーヨ。モニター聞ければ関係ねーだろ。

そのとおりモニタースピーカーは返しを聞くためのアレです。ミュージシャンだけでなくお客さんも見たことくらいはあるんじゃないでしょうか。ステージに転がってるアレです。モヒカンくんは関係ない興味ないと言ってますが、ライブの際は少しの注意点と、知っていると少し演奏が上手くなるかもしれないポイントがあるので紹介します。

モニタースピーカーウェッジモニターと呼ばれたりコロガシと呼ばれたりステージモニターと呼ばれたりフロアモニターフットモニターと様々な呼ばれ方をしますが、すべて同じものを指します。会場のPAさんやスタッフの会社なんかによって呼び方が違ったりするのでついでに覚えておいてください。
基本的にはPAが演奏者に対して快適に演奏できるように聞きやすい場所に置き、モニターに必要な音を返すものですが、演奏者・ミュージシャン・バンドマン自身も知っていた方がいいと思うことだけ紹介していきます。音響的なことはPAだけ知っていればいいので紹介しませんあしからず。

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ツイーターとウーハーユニットを知ろう

まずモニタースピーカーのことを知ってお友達になりましょう。先程も書きましたが、細かい設計や最新の仕組みなどはミュージシャンは知らなくていいです。けれど知っていれば演奏しやすくなることもあるのです。

モニタースピーカーは基本的にはツイーターユニットとウーハーユニットの2ウェイで構成されます。(一般的なライブハウスにあるのはだいたいそうです。同軸スピーカーというものやサイドスピーカーでは違うこともありますがここでは割愛します。)
ここで言うウーハーは、ライブ会場のメインスピーカーで使用するサブウーハーや、家庭用にもあるホームシアターのサブウーハーなどの「ズゴゴゴ…」という超低域を再生するものではありません。中低音を再生するユニットとしてのウーハーを指します。

とりあえず見てみましょう

これは縦にユニットが並んでるタイプですね。写真の通り上がツイーターユニットで下がウーハーユニットです。

これは横にユニットが並んだタイプです。右側にあるのがツイーターで左側がウーハーです。

気にしたことがなければモニターはこの箱全体で音を聞いていたかもしれませんが、実は高音と低音を分けてスピーカーから鳴っていたんです。
それでこのことがなんで大事かというと…
モニターはリズムを確認することが重要とこちらの記事でも紹介しました。

ライブでのモニターバランスの決め方
モニターって何返してもらったらいいかわかんないから全部ちょうだいって言ってるわ このモヒカンくんは恐らくダメな例です。モニターに何を返したらいいのかは人によってバンドによって違い...

リズムに集中してモニターするには、音の点が聞きたい。ボフッボフッとしたバスドラムの音でなくドッドッとしたアタック、ポンポンしたスネアではなくタンッタンッとした音、モモモモ~としたベースの音でなくブリブリーバキバキっとしたベースライン、を聞いたほうがリズムの点が見えてよりタイトな演奏ができます。

ということは、モニタースピーカーではウーハーよりもツイーターで聞く音の情報の方がモニターとして重要度が高いということなんです。
ではツイーターの音をしっかりと聞くには何に注意するかです。

まずツイーターユニットが耳に向くようにモニターを意識する。
現場のPAはアーティストの耳にちょうどよく音が届くようモニターを配置しています。(のはずです。)
しかし、あまり聞きやすい配置になっていない、または動いた時に聞こえにくくなってしまうなどの理由があればモニターを移動したいことを伝えてもらえて結構です。あなたにとっての最適なモニター位置を教えてもらえると助かります。

ユニットが縦に並んだタイプのモニタースピーカーと横に並んだタイプのスピーカーの注意点は図で見ていきましょう。

縦にユニットが並んだタイプのモニターの注意点

モニターを描いたらキン肉マンみたいだったのでボーカルもキン肉マンにしました。
今まではモニターの前に立っていれば音は聞こえると思っていたんじゃないですか?
しかしこのキン肉マンをみるとモニターのツイーターの音は”目”の方に向かってますね。低音より高音の方が直進性が高いので、これを耳に向けてあげないと聞こえが良くありません。

【対処法その1】です。

モニターを前に動かしました。
キン肉マンが前に一歩出るでも良いです。
これでしっかりツイーターの音が耳にくるようになりました。

【対処法その2】

モニタースピーカーの後ろになにかを挟んで角度をいい塩梅にしました。
これでキン肉マンの耳に真っ直ぐ届くようになりました。

横にユニットが並んだタイプのモニターの注意点

続いてユニットが横に並んだモニターではどうでしょうか。
今度は縦の角度や高さではなく横軸がちゃんと耳に向いているかが重要になってきそうですね。
ではまたスグルに協力してもらいましょう。

これもスピーカーの前に立ってるから問題ないと今までは思ってたのではないでしょうか?
しかしツイーターが耳に向いていませんね。実はこういったことで演奏し辛いと感じている原因になっていたのかもしれません。
ではこれをどうしたらいい感じに届けられるか。次のスグルを御覧ください。

どうでしょう。よくライブの時に見かけるモニターはこうなっていませんか?
こうして少し角度をつけると耳にちょうどツイーターが向くようになりましたね。
ハの字になっていたのはこうした理由があったんです。
すこし左右に動くならこのハの字を少し緩めの角度にするといいかもしれませんね。

これはさっきと同じいい角度でモニターが置いてあると思いきや、ツイーターが内側になっていて耳に向いていませんね。
こうやってツイーターとウーハーがはっきりと見えていればいいですが、通常はスピーカーを守るためにネットがついていてこのツイーターとウーハーの並びが見えにくくわからないことも多いです。
ですので、もしこうして置かれていて聞こえにくいけどPAさんも気づいていないなんてことがあったらツイーターの位置を外側にしたいと要望を出して解決に導くのもいいかもしれません。

縦と横のタイプ、これらの特徴を掴んでこういったことまでリハで確認できたら一つ上の演奏ができるかもしれません。(それとキン肉マンはマスクしてるので本当は耳はみえていません)
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モニターにセットリストを貼らない

モニター用のスピーカーの仕組みがわかり、ツイーターで返しを聞く重要性は理解していただけたと思います。
そうしたら、このタイトルのモニターにセットリストを貼らないというのもすぐになるほど!となるのではないでしょうか?

リハの時点ではモニターがバッチリ決まりハウリングも起こさず終えたのに、本番になってモニターにセットリストを貼ってしまったらリハーサルとは環境が変わってしまい、音が届かなくなったり、音の進み方が変わりハウリングを起こしてしまうこともあるかもしれません。

不要なトラブルを避けるため、リハーサルで仕上げた状態をしっかりと再現するためにモニターにセットリストなどを貼るのはやめましょう。

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モニターには乗らない

【モニターには乗らないで下さい】とモニターに直接、注意書きを貼っているライブハウスもありますし、楽屋に注意事項として張り紙をしている場合もありますが、基本的に乗ってはいけません。

モニターが壊れてしまう、ダメージを受けるという点は当たり前ですが、乗った時にモニターが転がってアーティスト自身が怪我をすることもあります。

昔ながらのライブハウスのスタイルでモニターに乗ることが暗黙の了解で許されているように見えても乗るのはやめましょう。もし壊れたりした場合に弁償しなければならなかったり、それによって他のバンドに迷惑をかけることになります。
どうしても何かに乗りたいのであればお立ち台を用意するなり、箱馬で用意してもらうなりしてライブをしましょう。

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飲み物をこぼさない

スピーカーは水に弱いです。出演者に注意事項として[ステージドリンクはフタ付きのものに限る]と説明するのもそういった理由からです。スピーカーに限らずステージ上にはPAのアンプや楽器のアンプなど水に弱い機器がたくさん置いてあります。
お客さんにもライブ中に水を撒いてはいけないと注意をされることもあるかと思います。

ライブハウスでもひとつ10万から20万、少し大きなキャパになると30万から40万のモニタースピーカーが使われています。簡単に弁償できるような額ではないと思いますので、くれぐれも不注意やその場のテンションに流されて乱暴に扱うことがないよう気をつけて下さい。

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モニターと仲良くなって演奏を快適に

今までモニタースピーカーは音が鳴っていてそれを聞ければいいと思っていませんでしたか?
実はモニタースピーカーにも注意しないといけないことがあったり、少し仕組みを理解するだけで演奏がしやすくなったりする可能性もあります。
この記事を参考により良いライブができることを願います。

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