【コラム】日本の音楽メディアのレベルの低さを考える

コラム

フジロックが今年も最高だったので書いてみたいと思いました。

前提として日本の音楽はレベルが高いと個人的には思っています。音楽メディア業界のレベルの低さを考えるということです。これもあらかじめ予防線を張っておくと大手メディア/ポップス業界の部分の話です。

このタイトルで反射的にムカつくと思う人もいるかもしれないですが、当たり障りないタイトルだとそもそも問題提起すら誰にも届かないものとなってしまうためご理解いただきたいです。むしろ違うだろ!と思っている人ほどこんな違う視点があるのかと知っていただけたらこの個人思想的な駄文も意味のあるものになると思います。

で、このコラムの目的は日本の音楽業界がもっと良くなってもらいたい、世界に通用する日本のミュージシャンはたくさんいて当たり前に知られるような世の中になってほしいという私の願いです。
決して「邦楽なんてクソwww」「JPOPはオワコンwww」とか言いたいわけじゃないので。

思っていることはたくさんあるのですが、構成などを考えて書くことが苦手(やりたくない)なので思った順に書いていきます。
なので似たような被る内容が出てきますけど文章書くプロではないので稚文はお許しください。

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日本では音楽がただの資本主義の中の一商品になり過ぎてしまった

音楽とは元々商品ではなかったものだという認識です。宗教や文化など色々な起源がありますが、人を支えるものでその後芸術になっていき、今では商業の一つとなりました。

ここまではまだ問題ありません、良いものがより多くの人に流通できるようになることは素晴らしいことです。

しかし昨今の日本ではその商業という部分が行きすぎてしまっていると感じています。
大手音楽事務所がお金で賞を買うというニュースがあったりもしました。
ラジオや有線でたくさん自分の会社のアーティストの音楽をかけて、ドラマやアニメのタイアップを勝ち取って、CMで何回もMVを見せて、流行しているとニュースやSNSで流れるよう努力をして、何度も何度も同じ音で鼓膜振るわせることでいつの間にか好きになっているという某宗教団体のサブリミナルみたいなことやってないかと思ってしまう。

音楽という芸術が広告費という札束のぶつけ合いでランキングという名の優劣をつけることに対しては明確に反対をしたいです。
優劣をつけるとするならば音楽性でつけてほしい。
「優劣なんて好みだろ!怒」「お前の好きなジャンルがないだけで騒いでるノイジーマイノリティwww」こんなこと言われそうですね。

その辺りのこともこれから書くので!だいじょうぶい!

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日本の音楽業界のガラパゴス化

これは音楽業界だけではないですよね。ガラケーで知られるようになった言葉ですよね多分。

日本という国はそこそこ人口いるんですよね、減ってますけど。
最近のニュースではグローバル化やら関税やら耳にしますが、前提として日本国内で商売ができちゃうんですよね。(何を持ってできるというかレンジの部分は議論しません)

だから日本はこれまで日本国内で売れればいいという商売をしてきたことでガラケーが生まれて育ってiPhoneに駆逐されました。
国内だけでも商売できるけど世界を相手にしているところに完敗して駆逐されてきました。半導体とかもそうですね。

対して韓国なんかは国内だけではあんまり稼げないので世界で通用するような商売をしてきました。半官半民みたいなところもありますが。
その結果SAMSUNGがスマホ業界ど真ん中にいますし、音楽だとBTSが生まれました。

これまで散々日本企業のガラパゴス化による機会損失が大きいことはわかっていながら音楽業界(メジャー業界)はその道をまっすぐ突き進んでいると思います。

メジャー業界っていうのが曖昧で話が入ってこないと思うのである程度イメージとして私が批評しているものは、地上波の音楽番組にブッキングされるアーティストや、サブスク再生ランキングの上位にいるアーティストの話だと思っていただければ。
その中でももちろん素晴らしいアーティストはいます。
そしてアーティストには何の罪もないと思います。実力がなかったり音楽性が稚拙なものを売れるからと売ってしまっている業界へのアンチテーゼです。

反感を買いそうなピキピキワードの「実力がない」「音楽性が稚拙」の部分について次に弁明させてもらいます。

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二番煎じに寛容

私はこれまで様々なシーンの中で仕事をしてきましたが、概ね一つ大きなオリジネーターが生まれるとほぼ同じような二番煎じが現れる。
現れること自体は理解できます。最初に売れたものと活動開始時期は同じだったかもしれませんから。かっこいいものには憧れて真似をしたくもなります。
そして、同じようなジャンルだけどどちらも別の良さを持っていてどちらも良いパターンもあります。

ですが、そうではなく、ただただオリジネーターの劣化版の下位互換の焼き直しでしかない二番煎じが平然と活躍していることが多々あります。そして驚くことにそれが人気あったりするんです。
この二番煎じの扱いも日本の音楽業界の低レベル化の一因だと考察しています。

これこそ名前を挙げて説明したいところですが、ファンから非論理的な火炎瓶を投げられ無意味な炎上になること不可避なので我慢。
ロックバンド系なんかわかりやすいのではないでしょうか。思い当たる節ありますよね?四つ打ちのダンスロック、ライブがギャグ系でわちゃわちゃするバンド、モッシュピットで決まった曲の決まった場所で決まった踊りをするジャンル、などなど、これらを最初にシーンに持ってきたバンドと二番煎じのバンド、ちょっとロックバンドシーンを齧った方なら簡単に思い浮かぶんじゃないですかね。

バンドだけではなく、今では雨後の筍のように次々と湧き出ては消費される有象無象のダンスボーカルグループと地下から這い上がってくるアイドル。
ロックだってそうです、最近はハイトーンビブラートボーカルばっかりになってますよね?流行ったらすぐ流行ってるうちに似たのを売っちゃう。流行りが過ぎたらはいおしまい。
これらが5年後何組残っているのか。メンバー本人は一生懸命やっていてレーベルやマネージメントも個人レベルでは頑張ってやっているのは肌で感じるが業界の流れをマクロで見ると、ただの流行りの商品でありブームが終わったらタピオカ屋のように一斉に店じまいするのが目に見えていて気の毒でならない。

ロックやアイドル以外も例外ではなく、マンブルラップなど流行るとそればっかりになったりもしますよね。

シーンの発生起源にもなりうるので良い悪いはひとまず置いておいて「マネじゃん」「オリジナリティがない」とはキッズやヘッズ達はならないのが個人的には不思議に思っている。

流行って売れるものができたら、似たようなものも売れるから売っとこっていう音楽業界に喝!その偽物を見てこれでもいいかもと思ってしまうキッズやヘッズも喝!

これは余談だが、二番煎じを受け入れらている背景として、ロック系だと大きな市場としてはメロコアやラウド系、ダンスロックやコミックバンド系は二番三番四番五番…煎じで盛り上がっている。まあそれがシーンというものだけど、面白いのはこのあたりは大学のサークルのように入れ替わり立ち替わりで新陳代謝しているんです。

20歳前後の学生がスポッチャに行ったりカラオケに行ったり麻雀やパチスロにハマったりそんな定番の遊びの一角のようになっています。
これも適当にいうな!と言われそうですが、経験談です。高校生大学生で熱心にライブに足を運んでいたお客さんが社会人になった途端全く来なくなります。そして新たに大学一年生の人が友達を連れてライブに来ます。こんなのを散々目の当たりにしてきました。

余談ですがちょっと変わった日本のロック界の変な風習の話でした。

次もレベルの低い音楽を売ってしまう謎について追求します。

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音楽なのに色恋で商売しちゃってる

最近のTV地上波音楽番組の出演者を見ていると半分くらいアイドル、他、ポップス、ラッパー、バンド各1みたいな感じが多いと感じています。
某番組だと直近で7/7アイドルだったりしてましたし。
それってもう音楽番組じゃなくアイドル番組ですよね。

アイドルが音楽じゃないとは言っていませんよ。音楽的に大好きなグループだって知ってますから。
そうではなく、バランス悪過ぎね?ってことです。

なんでこんなことが起こっているかというとタイトルの通り、色恋はお金になるからです。

何ちゃら総選挙や握手会などのように色恋を使うと湯水のようにお金を使ってくれるんですよね。アイドルやV系のチェキなんかも同様でそれが金脈でライブの集客に繋がるから人気という指標になる。男性客が女性アイドルにという構図はわかりやすいですが、逆も然りで、バンドのイケメンボーカルが物販にいれば話したい女性客が並ぶのもそうですし、そもそもグッズにお金を費やす比率は女性の方が圧倒的です。

大きなお金が動くからそれをテレビに出して人気者として日本の音楽の代表のようなムードを作り出す。

着ぐるみアーティストも多い。
良し悪しはまた難しいところですが、着飾ってメイクして雰囲気を醸し出してカリスマを演じて「私たち一般人とは違う人間」みたいなものを授かりたい人も多いと感じるし、そうした方がライブにおいても非日常を味わえる。
ライブにおいて非日常を体験するのは楽しいからいいと思いますけど、かっこいいあのカリスマに会いたいという方向性がすぎると音楽から離れていく気がしてしまいます。宗教に近いし、タレントや俳優に会いたいというのと変わらないただのミーハーなだけではないかと。そこに音楽はありますか?

Tシャツにジーパンでも音楽が良ければ売れていいじゃん。ヒロトかっこいいじゃん。

個人的な経験の話をするとインディーズのバンドが事務所に所属した途端、バンドのイメージと違う衣装を着させられ、これまで作ってきたバンド像を個人の趣味によって変えられたのを目の当たりにしたこともありました。

別に色恋でも着ぐるみでも音楽が良ければいいし、仮に音楽的にちょっと物足りなくてもダンスが凄ければいいし、美人やイケメンレベルの次元がちがければそれはそれでいいと思います。
けれどテレビ音楽番組を見ていると今は商業と芸術が9:1になってるやんと。いくらテレビといえども5:5くらいにはしてや〜、理想は2:8くらいやねんってことです。

めちゃ雑にいいますが、フジロックの出演者あたりが毎週テレビでライブしてたらめっちゃ日本の音楽レベル上がると思いますよ?マジで。
世の中のフェスの1番大きいステージって有名人でないと出られないけど、フジのグリーンステージってそんな有名じゃなくてもただ音楽が素晴らしければ出ていますよね。テレビだってそれでいいじゃない。フジロックだって商業的に成功していますよ?

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逆に考えると…

逆説で考えると混乱してくる。
これは個人的な好みでしかないですが、パフォーマンスに力を入れて衣装をしっかり着てライブしている人たちは音楽的にかっこいいと思うことが少ない。
逆に着の身着のままやっててる人たちって素晴らしい音楽のことが多い。もちろん例外はいくらでもある。D’Angeloかっこいい。

この事象がなぜそういう傾向になるのかを理解したい。

ライブハウス→大きいライブハウス・ホール→アリーナ・スタジアム→テレビに出る音楽

この順にちゃんと比例して音楽の本質的な部分とそれ以外(パフォーマンス、衣装、セット、グッズ等)の割合が動くはず。
つまり客の層が広がって行くと音楽そのものよりもカリスマ性や演出などの非日常性を楽しむ人が増えることがこの現象の答えなのではないかと考えます。
上の矢印が右に行くに従って音楽よりも推し活の比率が高まるということ。

データなんてないでしょうが、平日のライブハウスにいるお客さんとテレビの音楽番組のスタジオにいるお客さんでは、聴いてきた音楽のジャンルの数やそのジャンルごとの歴史や変遷の理解度、受動的にまたは能動的に音楽と向き合っているか、音楽が人生や日常に根ざしているか、など大きな差があると個人的には思っています。思うというより確信していますが、そんなことを扱うシンクタンクなんてないのでデータはありません残念ながら。

「別に好きなの聴けばいいだろ!」
「音楽に詳しくないと音楽聴いちゃいけないの?」
「洋楽厨ウゼーwww」

恐らくこういう風に反論されることが想像されます。
別に今の日本のガラパゴス市場のままであればそれでいいと思います。
でも、あえてキツイ言葉でなんでわざわざこんな嫌味を書いているかというと、日本もアメリカやヨーロッパくらい[エンタメ<芸術]になってほしいからです。
ただの流行でその時だけ消費されるエンタメでなく、音楽の歴史を紡いだ上で現代の解釈がなされたポップスがテレビで活躍してほしい。
そして、当時流行ってて友達と聴いて盛り上がったね〜懐かしい〜いたねーこの人〜、じゃなく子供から大人まで誰が聴いても素晴らしいと思えるような音楽に巡り合える土壌に日本の音楽業界はなってもらいたい、ただそれだけの主張なのです。

誰かを貶したいとかではなく、もっと深く音楽と向き合えばもっと人生は豊かになるよってことを伝えたいんです。

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利益優先の原因は?

ではなぜ、エンタメの比率が大きく商業的なものが優先されてしまうのかを考えていきたいと思います。

これは音楽業界の話というよりも経済と社会の話だと感じています。
簡単にお金に繋がるところばかりに手を出して、お金になるのに時間がかかる本当に良いものを育てることを避ける。これは不景気による要因と見ています。

多くの大手音楽業界の方々も多くは音楽が好きな私と同じような考えを持った方々だと(いいなと)思います。現場レベルでは音楽を育てたいと思っていても経営陣、役員は利益を追求しているのではないかと思います。
資本主義社会なら当然です。

ですので、良い音楽よりもお金になる音楽で商売をするのです。
会社の売り上げも上がり、株価も上がりこれが現代資本社会での正解です。
正解であるから難しい。音楽は芸術としての側面も持っています。
元来芸術的に優れている音楽を広めるために存在していたものがこうなっています。

しかし、ちょうど資本主義の正解を追求したらこうなったという例が音楽業界にも参考になるのではと思いました。
それが日産です。
日産はバブルの頃は飛び抜けたジャンルの車や奇抜なデザインの車もあり魅力的なメーカーでした。しかし、利益を優先させるため、使いまわせるパーツ、広い顧客層に向けた当たり障りないラインナップばかりになり、商業的な効率を上げたことで魅力を失っていったと思っています。
まさに今のメジャー音楽業界だと思うんです。
見当違いの可能性もありますが、少なからず掠りはすると思います。

紙を刷るとか、ネジを作るとかだったら利益効率オンリーでいいんだと思います。
でも車と同じように音楽も魅力的なものを売る業界ではそれは通用しない方法ではないでしょうか?

利益効率がいいマジョリティにアピールして売り上げを見込むのは音楽に対して間違った評価軸でしょう。
利益性と芸術性の評価の割合を変えましょう。

とはいえ、会社となれば音楽業界に関わらず営利を優先しなければならないのはわかります。

「お前の言う音楽的なミュージシャンは金を稼げるのか?」
「家族のいるレーベルやマネジメントやライブ周りのスタッフを食わせなきゃいけないんだぞ?」

なんて声ももっともです。というか私は当事者も当事者なので痛いほどわかります。
けれど儲かりそうだから、既にインディーズで実績があるから売上が見込めるから、という判断基準になっていませんか?という問題提起です。

くるりやバンプやラッドなんかは20そこそこでデビューさせる気概がありましたよね。
最近バンドなんかはインディーズである程度集客の見込みがあってそこそこやってきた30歳くらいでやっとデビューってとこでしょうか。不景気のせいですかね。
けれど最近はYouTuberやtiktokなんかから見つけてきて青田買いしてたりもします。ソロなら不景気でもリスクが少ないってか。

で、話を戻すと本来音楽業界は「良い音楽を広めて売る」のが仕事ちゃうんか?ってことなんですよ。
利益になりそうだからやる、だけになってませんか?
良い音楽を頑張って広めて利益出せや!それをやりたくてこの業界入ったんやろ!?ってことです。
大きな会社なら色々な都合があるかと思いますが、音楽が好きで飛び込んで来たんじゃないんですか、と。音楽業界の半沢直樹はおらんのか!
最近はAmazonやAppleなど音楽の会社じゃないところが音楽業界のキン○マ握ってる状態でそれも怖いのですが、日本の大手の音楽業界もそんな感じで年収が高いからとかで入社している社員が増えた結果なのでしょうか。

メジャー音楽業界の人に喧嘩を売ってるわけじゃない。なぜこういうことになっているのかが知りたいだけ。音楽のことに興味のない利益至上主義の社外取締や株主が現状を産んでいるなど、こうなっている現状を知りたいだけなのです。

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お笑い業界を参考に

で、その人気で業界が動いてしまっていることを是正するのに良い教科書があります。それがお笑い業界です。

M-1グランプリが生まれてからというもの、M-1グランプリまたは追従する他のコンテストで活躍した芸人が現場を掌握しています。
M-1グランプリは人気対決じゃないんです、ベテラン芸人などが審査をして評価されたものが優勝するんです。プロがプロを評価しているから人気だけがある素人みたいなものが上がってこれない仕組みなんですね。これ大事。

音楽も同じような仕組みをつくればグッとレベルは上がると思っています。
昔過ぎますがイカ天も同じような仕組みだったと思います。グランドチャンピオンの顔ぶれを見ても多彩なジャンルですが、音楽的に面白いミュージシャンが揃っていると思います。今の音楽番組のラインナップと比べてみるとどっちがまだ世界で戦えるか(グラミーとかのレベルでね)わかりやすくジャッジできると思います。

きっとそれがMUSIC AWARDS JAPANで一歩前進だとは思うのですが、まだまだ流行ったものが受賞されていますよね。流行ったものを評価することを避けて通れないままでは変わらないと思ってしまいます。そして国際音楽賞と謳っているけど日本古来の会社が抱えたい権利や著作権ビジネスが変わらず横たわっていてパフォーマンスが公開できなかったりとまだまだ本物の国際音楽賞には届きません。

とある芸人がエピソードトークで話していました。
芸人受けする芸人とワーキャー芸人の話です。ワーキャー芸人とは実力よりも人気が多い芸人のこと。
ある劇場はお客さんの人気投票でピラミッドの階級を争っていたそうです。その時期はネタよりもイケメン、爽やか、ポップな笑い、ファン対応、そういった要素で評価がされ、芸の面白さとは乖離したランキングになっていったそう。

そんなある時にあるコンテストの第一回が開かれたそうです。そうしたらその劇場のピラミッドの上位陣は軒並み敗退し、下位の芸人が決勝進出する結果になったんです。
その現状を鑑みて劇場の評価の仕組みをお客さん審査でなく構成作家の審査にしたらワーキャー芸人とコンテスト決勝進出者のポジションが入れ替わったという話をしていました。

今のメジャー音楽業界を変える超簡単な方法がこれだと思います。
M-1で活躍した芸人はずっと第一線で活躍しています。対して流行を扱うエンタ芸人なんかは一発屋でテレビでは見かけません。(営業除く)

損して徳とれとは言いますが、音楽業界も長く活躍するミュージシャンを育てる方が結果的に得をするのでは?日産にならないのでは?

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スポーツを参考にしてもいいよ

私はスポーツも好きです。なぜなら成績至上主義だから。

イケメンだからといってストライカーや4番打者やエースピッチャーになったりしません。人気の2世選手でもなんちゃら王子だって成績で判断されます。
残酷な世界ですが言い訳できないからみんな努力します。

持って生まれた形の良い見た目やバックボーンがあるからといってあぐらをかける世界ではありません。
かっこいいアスリートは良い成績残してる人がたまたまかっこよかっただけですからね。

音楽だって本来これだと思うんです。イケメンでもイケテナイメンでも音楽が良ければ評価されて音楽がダサければ評価されないべきだと思ってます。(アイドル除く)

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俳優や声優も同じ流れだよね

芸能になるとこうなってしまうのですかね。
下手な俳優が主演していたりね、アイドルやモデルが主演だったり、いや上手ければ文句ないですよ。けど下手なんですもん。
一生懸命舞台で演技を磨いている人が死ぬほどたくさんいますよ。けどそこから拾い上げることってないですよね、主演は大手事務所の人気のある人。人気のあるアイドル、人気のあるモデル、最近は人気のあるミュージシャンなんかも入ってきます。
逆に人気のある俳優だから歌も歌っちゃおうってパターンも多いですね、売れますねちゃんと。人気ありますから。

声優もベテランの世代の人たちは俳優さんですよね。演技の幅も広いなーと感じます。
今は声優はアイドル活動もするし歌も歌います、本業はワンパターンな振り幅のない演技力が多いです、はい、全員とは言いませんよ、若くても上手い人もいますよ。傾向です。

舞台役者業界とかもインディーズ好きは同じ悩みを抱えていたりするんですかね?

日本人って権威が好きですよね、何をしたかよりも名前や肩書きで選んだり安心したりします。
私も仕事をしていて、この人実力じゃなくて名前で仕事頼んでるんだなと感じる場面があります。ある程度社会に出たらみなさん経験あるんじゃないでしょうか?
こんな権威好きもこういう傾向の一つなんでしょうね。

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E.YAZAWAの金言

矢沢氏の名言があります。
インタビューで金が欲しいとはっきり言っていました。
それは自分の大事な部分を売り渡さないため、嫌な仕事をやらなくてもいいようにお金が必要という話でした。

今現在の音楽業界では、本当の芸術を追求するには他に仕事がないと難しいのが日本の現状です。
オーケストラのクラシック界隈も超一流のトップだけがそれを仕事として食べられる社会。
バンドなんかにおいては海外のシーンと肉薄できるミュージシャンは悲しいかな他に仕事をやりながら音楽活動をしている人が多い。

本当に音楽という芸術を追求したいけど、日本でベーシックに音楽で飯を食っていくにはメディアで広告をしたり、プロデューサーの要望を受け入れて大衆へアプローチしなければならないことも多い。だからこその矢沢の金言が重要であり、日本のリスナーが変わらなければ芸術的なアプローチは他に仕事を持つしか現状、道筋はないと思える。

個人的経験のコーナーです。
担当していたミュージシャンのレコーディングに帯同したときの話、はじめましてのポップスが得意な編曲家のプロデューサーがつくことになっていて、ディスコードや曖昧な表現が魅力のそのアーティストを楽典を盾に「気持ち悪いね」といって端から直していってました。

この現状変えた方が良くないですか?

で、もう一度芸人に話が戻ると、芸人は実力さえあれば飯食える環境ができつつあります。吉本に限るみたいなシステムの部分もありますが、吉本だとM-1準決勝まで行けばもうバイトしなくても大丈夫になるみたいなことを言ってるのを見ました。

ミュージシャンは音楽を芸人ならネタの芸を俳優なら演技を、本質を磨けば飯が食えるそれって当たり前にあってほしい世界ですよね。
形が良くまたは七光で生まれてきたらどの業界でも飯が食えるそんな世界とどっちがいいですか?

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ジャズ・HIPHOPがゲームチェンジャーになるか

こんな人気利益至上主義の音楽業界の中でも音楽的なものが大きな評価をされている明るい部分も芽を出していて嬉しいです。

King Gnuがドーム公演をやったり、長谷川白紙がブレインフィーダーと契約したり、星野源が世界的なミュージシャンとコラボレートしていたり、石若駿が無双していたり、純粋にナイスな音楽が今までより広がるようになってきたと感じさせるニュースがあります。

嬉しいニュースですが、欲を言えばもう一歩早い進み方をして欲しかったというのが本音です。

石若氏やKing Gnu周りなどヒップホップを絡めた若手ジャズメンが現場を席巻していて、ものすごく上手くてセンスよくて最高にカッコよくて大好きですが、これもアメリカのクリス・デイヴやフライングロータスやグラスパー周りのムーブメントが時間差で日本に到着しただけですよね。

今盛り上がってるのは嬉しいけど、やっぱりそれでは遅くてこういった音楽であればLoop Janctionの時代から日本の音楽業界が盛り上げていければもしかしたら世界を先導していた世界線もあったんじゃないかと思ってしまう。(セルアウトするしないの話は置いておいて)
Hydeout Productionsも何事もなく続いていればまた違った日本のヒップホップシーンがあったのかもしれません。

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個人的な雑な解決策

これまで好き勝手言いやがってそんな簡単な話じゃねーんだよという業界関係者の声が聞こえてきそうですが、すごく雑で現実的じゃないかもしれないけどこうすればいいんじゃね?ってことを書いてみます。

メジャーレーベル、大手音楽メディアは、スペシャやP-VINEレベルのアンテナの張り方とスピード感でメジャー規模の金額でレーベル運営してフジロック基準のミュージシャンをTVのライブなどでメディア発信できたら世界で戦える業界になっていくと思います。

「それってあなたの感想ですよね?」と言われればYESです。
でもわかりやすく日本の音楽レベルを上げる簡単な指標として固有名詞を出しました。

で、会社経営に関しては売り上げの単年の数字だけで評価しないことと、売り上げ金額で人事評価をするのではなく音楽的に優れたものをプッシュして売り上げを上げた社員を査定評価する仕組みを作る。

何を持って音楽的に優れているかというのは世界基準(グラミーやブリットアワード)で判断しながらその中で各社の違いが出てくればメジャーレーベルの中でも色が出て面白くなっていきそうですね。

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未来はめちゃくちゃ明るい

ジャズ、HIPHOPあたりが盛り上がっているようにまだまだ明るい要素は増えていくように感じます。

これまで散々批判ばかりしていますが、私は業界の魂さえ変われば日本の素晴らしい才能を持ったミュージシャンは世界で大活躍できると思っています。ただ今はエンタメに傾倒し零落しているだけで。

YMO、少年ナイフ、Nujabes、Merzbowなどなど過去から現在、世界でみてもオリジネーターとして日本のミュージシャンが活躍してきました。
「日本のミュージシャン」というより「良い音楽やってる人が日本人だった」ということだったんだと思う。

話はちょっと逸れますが、自分の経験として、東京の隠れ家的で物凄いレコードをセレクトしているショップのオーナーや、エクスペリメンタルな音楽しか扱わないライブハウスのオーナーやブッキングの方のような深すぎる音楽好きと話もしますが、その方々も多くの人にそれらの音楽を知ってもらいたいとは思ってはいるものの、日本のオーバーグラウンドを憂うまでは至っていない感じがします。
大衆音楽は大衆音楽だよねって感じで。
でも私は大衆音楽でノイズミュージックが当たり前になることを諦めたくないのです。
批判ではなくただただ前向きということだけは伝わってほしい。

名前は挙げませんが、海外でも大人気!と昨今騒がれている日本人アーティストって音楽として素晴らしいという評価ではないと私は考えています。すいません。
理由はそれらのアーティストはアニメのタイアップやアニメ内で歌っているミュージシャンだから人気、集客があるということだから。
もちろん商業的には素晴らしいと思います。
ですが、あくまでジャパニーズアニメカルチャーを好きなファンに向けたショーなんです。
上に挙げたこれまでのオリジナルな音楽を世界に発信したミュージシャンとは評価のされ方が違うんですね。
別に日本のアニメカルチャーを腐すつもりはありません、漫画もアニメも好きですし。しかし、業界の人はちゃんと分けて考えてほしいです。

商業的にアニメの周辺音楽コンテンツで利益が出たら芸術的に勝負できるミュージシャンを海外で売る投資もしていただきたいのです。素晴らしいミュージシャンはライブハウスにたくさんいます。世界的にもまだ誰もやっていないアプローチをしているミュージシャンがいます。
きっかけさえあればYMOになれる人がいると私は思っています。

ダラダラと書いてきましたがもしここまで駄文に付き合ってくれる方がいたらありがとうございました。
最後に御大の金言でお別れです。

新しいアイデア、新しいアプローチというものは2000人の前では起こらない。そういうのは20~25人が目撃するものなんだ
– イアン・マッケイ –

この20〜25人が目撃しているミュージシャンや現場をいち早く世界に届けられる日本の音楽業界になってほしいと願っています。